水田除草

水田除草に興味を持ち「ブラシローラー型水田除草ロボット」の試作と実験を行っています。   農業経験の無い素人の私が見聞きした田圃の話も書いてみます。

ホバーボード

スカートの清掃が面倒

 今回の試作機は「スカート製作」で紹介したように、まずはホバーボードを浮かせることを優先し、スカートの形状を簡略化しています。 出来上がったスカートは田圃面に向けて大きな開口部があります。

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ホバーボードの内部撮影2」で紹介しているように田圃の中では下図のように膨らんでいます。
走行中は問題なさそうですが、田圃に出し入れする時に浮遊物や田圃の土をスカートの懐に抱き込んでしまいます。

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この為、作業後の清掃に手間取ります。 また一番上の図のように立てかけて水をかけるとスカートの中に水が溜まる点も問題です。

浮遊物等を抱き込まないようスカート形状を工夫して対策する必要を感じます。 当初予定していた、下図の構造で対策可能と考えています。
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スカート関連記事のインデックスはこちら → 「ホバースカートのまとめ


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やっかいな ホタルイ

 試走6: 歯飛び対策後の試験走行の後の意見交換会で、手持ちの除草機材に取り付けてブラシローラーを試してみたいと言ってくれた農家さんを訪ねて、どのようなサポートが可能かお話しを聞いてきました。 稲が成長しているので大急ぎで準備したいと思います。

改造」と言う記事で紹介した農家さんと、田圃を見ながら話していると、次のように教えてくれました。
今年は春先の天候不順が災いして思いのほか田圃が柔らかく、除草機を使った作業に苦労している。 人が乗ると除草部を適正な位置に調整できないので乗車装置を取り外し、歩いて機械除草しているそうです。 2か月以上も前の天候が影響しているとは驚きです。  ホバーボードなら田圃が柔らかくても関係ないと言います。
機械除草の動輪が同じ条間を走り、動輪が通る条間は毎回5cm程掘り下げられる為、年に何回も走れないと言って、「その点ホバーは良いと思うよ~」と言ってくれます。 春先の天候に左右されること無く何度でも走らせられるホバーボードの利点を再確認しました。

除草が思うように行かないから、ホタルイが出てきたと言って、「ほれそこの、2株先の稲の間、茎みたいな奴」と言われても見つけられずにいると、農家さんが取って見せてくれました。

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「ホタルイ」の葉っぱはストローのように成っているみたいです。 ここまで大きくなると機械除草で埋めてもまた出てくると言います。 コナギのように葉が開く雑草は田圃に埋めると葉が腐ってしまうが、ホタルイは死なないと言います。 間もなく手取り除草を入れるが、田圃に埋めるのではなく、舟を曳いて田圃を歩き引抜いたホタルイを舟に載せて畦まで運んで田圃外に出すのだそうです。 作業してくれる皆さんからは大ブーイングの辛い作業になるそうです。

以前、別の農家さんから「田圃が硬い地域では舟を曳くこともある。」と聞いたことがありますが、手取り除草と言っても、雑草の種類によって作業内容が異なる場合があるんですね。

「ホタルイもブラシローラーで取れますか?」と聞くと、ここまで成長したものは無理だが、発芽間もないものは水に浮かせれば駆除できると言って、ブラシローラーに関心を示してくれています。

取り残した雑草が成長してしまったこの時期の田圃でブラシローラーを試し、どんな実験をするのかと尋ねると、成長した雑草がどの程度取れるのか試したいと教えてくれました。 なるほどです。 「初期除草に特化」と言う頭の固い自分を反省した次第です。

除草機に取り付けて実験出来るように前向きに検討すると伝えて、田圃を後にしました。



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試走1: 田圃で準備

 御協力いただいている農家さんの田植え作業終了が目前に迫る中、急ピッチで試作作業を進めていると、6本のスイングアームを支える部材の剛性不足でブラシローラーが直線に並ばず除草出来ないほどたわむことがわかりました。

急遽イレクターパイプで補強し、実験できる程度までたわみを抑え、軸受け付近の泥水対策を行って試作機を田圃に運びました。

 田植え作業でお忙しい農家さんが作業を続ける中、最後の田圃の田植えに備えて水位を下げる時刻ギリギリに田圃の横で試作機を組み立てます。

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軽トラックの荷台から、専用ラックごとブラシローラー部を降ろして、泥水対策の最終点検を行い、田圃への進入経路にブルーシートを敷いてホバーボード部と、ブラシローラー部エンジン発電機を組み付けます。 農家さんは「芸術品」と褒めてくれますが、除草に役立って何ぼの道具なので複雑な心境です。

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ブラシローラーを最大に振り上げて回し、電気的接続の確認を行ってからテントを被せて田圃に入れます。

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こちらは後ろから見たたわみの様子です。 中央のローラーと端のローラーでは2cm程高さが違います。 我々にしてみれば短時間で良くぞここまで対策したと言う思いなのですが、農家さんからは心配する声が聞かれました。 当然といえば当然です。

田圃に入れる様子は別の記事で続報します。

試験走行のインデックスはこちら → 「試験走行インデックス


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発電機スライド機構(手動)完

 ブラシローラー型水田除草ロボットは、エンジン発電機のガソリン消費等に伴って田圃を走行(除草)中に前後の重心を調整する必要がありそうです。 下の写真のようにエンジン発電機を前後にスライドさせて重心を調整します。 写真上が最も突き出し量が小さい状態で下が最大に突き出した状態です。

発電機スライド

最終的には電動で自動的に重心調整を行う予定ですが、今回の除草期間には間に合わず、手動での調整になりますが、スムースにスライドしますし実用上問題の無い程度にシッカリしていると思います。

上の写真でホバーボード部に取り付ける部品は電気配線と電源等と言った電気周りだけになりました。 引き続き、気を引き締めて作業を続けます。


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軽量化が課題

 「ホバーボード組み立て」に紹介した状態で、ホバーボードの重量は20kgになっています。 ブラシローラーとスイングアームの合計が20kg、発電機が満タンで15kgですから、既に総重量55kgです。 スイングアームの上げ下げ機構、発電機のスライド機構、スイッチング電源、制御基板、雨よけのカバーを加えて60kg程度に抑える必要がありますが、ここまでくるとまずは計画通りに作る以外に方法がありません。

 「ホバーボード浮揚の動画」に紹介したように総重量62kgでも浮揚しますし、水面下40mm程度にスカートの下端があるはずで、62kgに納まれば問題なく田圃を走行できると思います。

SBCA0333


それでも、必要な強度と剛性を保ちつつ、少しでも軽量化する必要を感じます。 試作を終えたら軽量化の具体策を考えたいと思います。 田圃での実験結果によってはホバーボードの面積を大きくする必要があるかもしれません。 全ては田圃での実験結果を見て方針を決める必要がありそうです。


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