水田除草

水田除草に興味を持ち「ブラシローラー型水田除草ロボット」の試作と実験を行っています。   農業経験の無い素人の私が見聞きした田圃の話も書いてみます。

考察

条に対して45度

除草試験のため、ラジコン操作をしていると稲列(条)に沿って起伏があるように感じることがあります。 条に沿って残草が見られる所もあります。 目視で走らせる以上、稲列(条)がたよりですから、往路復路の間に走行していない場所があるからかも知れません。

一方で田植え機等の走行跡が轍状になっている可能性を考えれば、稲列(条)に対して平行または直角に走行するだけでなく、斜めに走らせての除草試験もしてみたいと思います。 斜めの場合、目視でムラ無く走らせることが困難なので、自律走行が必須条件です。

ブラシローラーと言え、旋回場所では稲のダメージが認められます。 ブラシローラーを前にして走行する方が安定しますが、逆向きにも走れますからスイッチバックによって稲に対するダメージを抑えられるように思います。 

RTK-GPSの自律走行試験を行いながら、下図のように条に対して45度斜めに除草していみたいと考えています。

45deg
 
条に沿って走る機会が少ない方が、株元の除草効果が高まるように思います。

週に2回の除草であれば、1回目を上図のように除草し、2回目は上図に対して直角方向に除草するという具合に交互に走行すれば、もう少し除草効果が高まるのではないかと期待しています。




ブログ「水田除草」はブラシローラー型水田除草ロボット開発に挑戦しています。



この記事は「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)」に採択された「秋田式水田ロボット除草機の実用化と実証試験」に係る活動又は成果についてお知らせしています。


 
 

180度方向転換

文字通り180度方向転換を検討しています。

昨年の試験では気にならなかったのですが、今年の実験では除草試験の途中で後部(ブラシローラー)が沈んで深掘りしてしまうケースが見られました。 また、専門PO(プログラム・オフィサー)の先生から「どうしてブラシローラーを後ろに配置しているのか? 前の方が良さそうに思えるが・・・」と言ったご指摘を受けていました。

開発初期にブラシで跳ね上げる雑草や浮遊物がデッキに積もらないようにと考え、ブラシローラーを後ろに配置した結果ですが、前後を入れ替えて走らせみると逆走の方が安定するようです。 逆にブラシローラーが浮き上がる方向になりますが、稲わらや藻類があった場合に深掘りてしまうより稲に対するダメージが小さい方向に働くため安心です。 ブラシの浮き上がりも、発電機をホバー中央寄りに移動することで調整出来そうです。

ブラシに絡みつく浮遊物等に対策を講ずる場合にも、ブラシが前の方が簡単な構造で対策出来るように思います。

ホバー部中央より前(ブラシローラー寄り)に重心を移動して、ブラシの垂直下向きの圧力を調整しながら除草(走行)することが可能に成りそうです。 結果的に発電機をホバー部中央寄りに移動させて走行するため、機械全体の回転モーメントが小さくなり、旋回や軌道修正のレスポンスが向上しそうです。

良いこと尽くめに見えますが、残り1つか2つの実験を行い慎重かつ大胆に意思決定したいと思います。

商品開発の方針変更をピボットと言うようです。
これまで最大のピボットは、ホバークラフト型への変更でしたが、今回のピボットも地味ながら大きな変更になりそうです。 これからも必要な場面では躊躇無くピボットする方針で進めたいと思います。


この記事は「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)」に採択された「秋田式水田ロボット除草機の実用化と実証試験」に係る活動又は成果についてお知らせしています。



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Uターンについて

今年の実験で得られた除草効果や稲に対するダメージについての詳細は、先生方の発表を待ちたいと思います。 動画撮影しながら実験の様子を見た感触として、稲に対するダメージは十分小さいと感じています。

以前の記事「旋回動作と走行パターン」では稲に対するダメージを気にして大きな回転半径で旋回することを考えていましたが、今回の結果からブラシローラーの幅を回転半径としたタイトなUターンを行っても問題ないだろうと考えています。 ラジコン操作は勿論、自律走行を行う場合も走行計画が単純になると思います。

U_turn

稲への影響が概略つかめたことで、今後はダメージを抑えつつ、より除草効果を高める方向に注力することになるだろうと感じています。

一方で田植え直後など稲が小さい内はダメージを抑える対策が必要な為、ブラシの構造と言ったハードウェアだけでなくブラシローラーのスリップ量を調整する制御ソフトウェアで柔軟に対応する工夫が必要と感じます。

引き続き、専門の先生方と連携して研究を進められれば有難いと思います。



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ブラシローラー型散布ロボット

 先日、県立大学でチラシを見たと言って、訪ねて来てくれた方がいらっしゃいました。 ありがとうございます。
「これから人に会うので10枚程分けてほしい」とおっしゃるのでチラシをお渡ししました。

除草剤を使っている農家さんで、除草剤を撒ければ使ってみたいとおっしゃいます。 プロペラで推進するラジコン・ホバークラフトがあるが、ブラシローラーが魅力的だと言って田圃の話をしてくれました。 除草剤散布が目的であれば、今年の試作機のように2個のブラシローラーだけで十分なように思います。 ブラシローラーを減らすことで総重量を抑え、代わりに散布機を搭載出来ると思います。 散布用なら現行試作機動画より速く走れる方が喜ばれそうです。

VTR2


粒剤を散布する際に泥カナに粒剤が乗ってしまって除草効果が得られなかったと今年の失敗談を語ってくれました。 「泥カナ」(表層剥離)を沈める効果もありそうだと期待してくれています。 ホバーボードとブラシローラーの間から粒剤を散布すれば泥カナを避けて散布出来るように思います。

除草剤散布作業は除草作業に比べると走行頻度が低く、レンタルや散布サービスを受けるような形になるのかも知れませんが、無農薬農家さん以外にもニーズがあるならば製造数も増えてコストダウンにつながるように思います。

聞取り調査などを行って、ニーズを探りたいと思います。



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参考文献: 日本土壌協会

休日を利用して有機水稲栽培について勉強しようとググって居ると、以下のPDF群を発見! これまでに見聞きしたことや疑問に思っていたことが大分スッキリしました。

 日本土壌協会 公式サイト
 http://www.japan-soil.net/

  事業報告書等のご案内
  有機栽培技術の手引 〔水稲・大豆 等 編〕
  http://www.japan-soil.net/report/h23.htm


ページ数が多くて全部は読めていませんが、特に以下が参考になりました。

第2部 水稲の有機栽培技術
  Ⅰ.有機稲作の基本技術
  Ⅱ.有機稲作の栽培技術解説

有機物施用、耕起、代かき、病虫害や雑草害を抑える耕種的管理が重要として、それぞれの概要を知ることが出来ます。 農家さんからも教わったことですが、これだけまとまった情報は有難いと思います。
土づくりや田圃の生物多様性についても病虫害や雑草外との関連付けて書かれていて、素人には十分過ぎる内容です。 写真や図表も豊富でわかり易く、助かります。

Ⅰ.有機稲作の基本技術 は以下のような書き出しに引かれて通読しました。

    有機農業では化学合成された肥料や農薬によ
   り、対処療法的な問題解決を図ることができない
   ので、予め問題が生じないように対策をとることが
   重要である。

Ⅱ.有機稲作の栽培技術解説 は拾い読みでしたが、時間をみつけて読み進めたいと思います。 参考文献の紹介も参考になります。

充実した文献公開に感謝します。 ありがとうございます。

言葉の意味が少しずつわかる気になってきたと言うレベルで、「事件は田んぼで起きている」と言う認識に変わりありません。 農家さんには変わらぬご指導をお願い申し上げます。


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