文字通り180度方向転換を検討しています。

昨年の試験では気にならなかったのですが、今年の実験では除草試験の途中で後部(ブラシローラー)が沈んで深掘りしてしまうケースが見られました。 また、専門PO(プログラム・オフィサー)の先生から「どうしてブラシローラーを後ろに配置しているのか? 前の方が良さそうに思えるが・・・」と言ったご指摘を受けていました。

開発初期にブラシで跳ね上げる雑草や浮遊物がデッキに積もらないようにと考え、ブラシローラーを後ろに配置した結果ですが、前後を入れ替えて走らせみると逆走の方が安定するようです。 逆にブラシローラーが浮き上がる方向になりますが、稲わらや藻類があった場合に深掘りてしまうより稲に対するダメージが小さい方向に働くため安心です。 ブラシの浮き上がりも、発電機をホバー中央寄りに移動することで調整出来そうです。

ブラシに絡みつく浮遊物等に対策を講ずる場合にも、ブラシが前の方が簡単な構造で対策出来るように思います。

ホバー部中央より前(ブラシローラー寄り)に重心を移動して、ブラシの垂直下向きの圧力を調整しながら除草(走行)することが可能に成りそうです。 結果的に発電機をホバー部中央寄りに移動させて走行するため、機械全体の回転モーメントが小さくなり、旋回や軌道修正のレスポンスが向上しそうです。

良いこと尽くめに見えますが、残り1つか2つの実験を行い慎重かつ大胆に意思決定したいと思います。

商品開発の方針変更をピボットと言うようです。
これまで最大のピボットは、ホバークラフト型への変更でしたが、今回のピボットも地味ながら大きな変更になりそうです。 これからも必要な場面では躊躇無くピボットする方針で進めたいと思います。


この記事は「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)」に採択された「秋田式水田ロボット除草機の実用化と実証試験」に係る活動又は成果についてお知らせしています。



ブログ「水田除草」はブラシローラー型水田除草ロボット開発に挑戦しています。