今回の全体試作は、伝動部の不具合で除草運転が出来ませんでしたが、確認出来たことが沢山あります。

概略組図

<<< ホバー部が稲を傷めることは無い >>>
総重量60kg程の装置ですが、水面下4cm弱の深さにスカートの下端があります。 エアで膨らませたゴムボートと違って、スカートの下端は柔軟で稲や田圃の土に大きな圧力を加えません。 結果的に田植え後間もない稲であってもホバー部によるダメージは心配いらない範囲と言えます。

<<< ホバー部の造波抵抗はブラシによる推進を妨げない >>>
田圃の中で試作機を取り回す際の手ごたえから造波抵抗は心配する程大きくないと感じています。 田圃を走行する試作機を見てもスロースタートしてあげれば問題なく走行と旋回が出来ると思います。

<<< ブラシ推進によるピッチングは無視できる >>>
左右それぞれ3個のローラーが輪番で回転速度を変えて除草と走行を行うため、試作機全体が前後に揺れるピッチングを心配していましたが、走行中の試作機に目だったピッチングは観察されませんでした。

<<< ブラシローラーは空中に浮くように支持されている >>>
前述のピッチングとも関連しますが、ブラシローラーが田圃の土に乗り上げるように受ける鉛直方向の反作用はブラシローラの自重に比して小さく、ブラシ先端が水面より上にある時と土に差し込まれている時の差が小さいように見えます。 従ってブラシ先端の動きにつれて装置全体の重心を(前後に)制御する範囲は小さく、実用上は逐次制御不要なレベルと考えています。

予定していた除草運転ではない為、十分な実験とは言えませんが、試験走行の際に農家さんから「この位なら稲はなんともない」とのコメントを頂いています。

十分な除草運転と旋回動作をさせられない結果でしたが、以上の確認結果からブラシローラー型水田除草ロボットは実現可能と判断しています。

試験走行の様子(動画あり)はこちらから → 試験走行インデックス

船底固定


ブログ「水田除草」はブラシローラー型水田除草ロボット開発に挑戦しています。